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アラサーサラリーマンの毎日

心理的安全性がないチームを率いるリスクは?「顧客が本当に必要だったもの」から考察する。

近頃よく聞くようになった「心理的安全性」。

職場で働いていくうえで心理的安全性が守られていないとどのようなリスクがあるのかについて考えていきたいと思います。

 

結論としては

・プロジェクトが失敗する

離職率が上がる

という少なくとも2つのリスクがあるということがわかりました。

心理的安全性とは

心理的安全性とはGoogleの「効果的なチームとは何か」という研究で最も重要であると位置づけられた概念です。

心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

この心理的安全性があるチームはさまざまな良い効果があると報告されています。

心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。

Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

この話を聞くと心理的安全性があるチームは良いチームだという風に感じます。

心理的安全性がないチームのリーダーに降りかかるリスク

なんとなく「心理的安全性」があることはいいことのように思えますが、何ともどういう効果があるのかつかみづらい印象もあります。

ここからは逆に心理的安全性のないチームを率いることにどのようのリスクがあるのかについて考えていきたいと思います。

前提:メンバーは「無知」「無能」「邪魔」「否定的」だと思われない振る舞いを行う

心理的安全性の作り方(石井遼介著)によると心理的安全性のない職場ではチームのメンバーは下記のように振舞うと指摘されています。

・「無知」だと思われたくない→必要なことでも質問せず、相談をしない

・「無能」だと思われたくない→ミスを隠したり、自分の考えを言わない

・「邪魔」だと思われたくない→必要でも助けを求めず、不十分な仕事でも妥協する

・「否定的」だと思われたくない→是々非々で議論せず、率直に意見を言わない

 

心理的安全性の作り方(石井遼介著)より引用

1.リスク1 プロジェクトが失敗する

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顧客が本当に必要だったものとは (コキャクガホントウニヒツヨウダッタモノとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
より引用

システム開発案件で起こりがちな「顧客が本当に必要だったもの」を使って心理的安全性のないチームでどのようなことが起きるのかを考えてみたいと思います。

「無知」だと思われたくないプロジェクトリーダー

顧客が説明する内容をチームで聞いたとします。顧客の説明で理解できないところがあったにもかかわらず、チーム内に「無知」をさらすことが怖くて聞くことができず、結果的に顧客の要望を理解できず、プロジェクトリーダーの理解がまず、誤っている状態になります。

「否定的」だと思われたくないアナリスト

プロジェクトリーダーの理解が明らかにブランコとして機能できない形になっていることを理解しているにもかかわらず、アナリストはそれを否定的だと思われたくがないために指摘をしません。その結果あり得ない設計をせざるを得ない状態に追い込まれます。

「無能」だと思われたくないプログラマ

実際に実装をしてみて、設計通りのブランコが実現できない状態になりますが、プログラマはそれを「無能」と思われることが怖くて報告できず、工数だけを消費し、そのまま動作しないものを納品してしまいます。

互いに「邪魔」だと思われたくないプロジェクトリーダー、アナリスト、プログラマ

本当はプロジェクトリーダーとアナリストは互いに要件をもっと詳しく話し合うべきだったし、アナリストとプログラマももっとよく話し合うべきだったが、互いに「邪魔」と思われることを避けてしまったがためにおかしくなっていることを修正できず、正しいものを作ることができない結末を迎えてしまいました。

その結果プロジェクトが失敗する

結果的にブランコとして機能しない何かが納品され、膨大な費用が掛かっただけの失敗プロジェクトになってしまうということになります。

これは極端な例ではありますが、心理的安全性のないチームではこれに似たようなことが起きることは容易に想像ができますね。

リスク2 離職率が上がる

心理的安全性が高いチームのメンバーはGoogleからの離職率が低いという話がGoogleのサイトに記載されていましたが(上記引用参照)、日本の会社でも同様に離職率が下がることを示唆するデータがありました。

この職場で働き続けたくない人”は心理的安全性が低い。特に「助け合い因子」が1.5pt低く、離職防止のポイントか。

これを見ると、心理的安全性が低いチームは離職率が高まるリスクが高いといえると思われます。

まとめ-心理的安全性はサラリーマンのリスク回避にとって必須-

心理的安全性のあるチームは成果が上がるといわれますが、いまいちピンとこない部分もあるので逆に心理的安全性のないチームで起こることを考えてきました。

結論としては

・プロジェクトが失敗する

離職率が上がる

という少なくとも2つのリスクがあるということがわかりました。

サラリーマンとして勤めていくうえでこれらのリスクが顕在化すると、精神的にも立場的にも困ります。

心理的安全性のあるチームにすることはチームのメンバーの幸せに加えて、自身のためにも非常に重要であるということがわかりました。

心理的安全性についてもっと勉強していきたいと思います。