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災害時に帰宅困難になったらどうする?無理な帰宅をしないように備えよう

会社で働いているときに地震などの災害が発生し、公共交通機関が止まってしまった場合帰宅することができなくなります。

首都直下地震の際は首都圏で517万人が帰宅困難者になる推計とのことです。*1

今回は帰宅困難になった際にどのようにすべきかについて調べていきます。

 

結論は以下です。

・行政は帰宅を非推奨

・職場や避難施設の備蓄が十分ある

・電車は致命的な損傷を受けていない限りは翌日には動きそう

・想定以上に帰宅に時間がかかるリスクがある

という前提から拙速な帰宅判断は避けるべきだと思います。

しかしながら

・家に一緒にいるべき家族やペットがいる

・確認しなければならないものが家にある

など帰宅が避けられないケースもあるので、平時からどのようなケースで帰宅が避けられないか、帰宅しなくてもよくなる方法がないかを考えておく必要がありそうです。

帰宅困難時の状況

【行政の帰宅困難時の見解】国や都道府県はすぐの帰宅は非推奨

内閣府の防災情報ページ*2によると、

・町の状況が危険

・緊急車両の動きを妨げる

・人が密集し集団転倒などの2次災害が発生する恐れがある

という理由で、むやみに行動を開始することはしないようにと言っています。

 

むやみに行動をしてしまうとけがをしてしまうリスクが高くなりますし、緊急車両を妨げてしまわないことは特に災害の初期では非常に重要と思われるので、理由がない限りは災害発生直後にむやみに動かない方がよいように思われます。

【職場の環境】職場には3日分の備蓄が備えられている

職場に滞在できる状況なのかということが次に問題になります。

備蓄については、例えば東京都では職場に対し、3日分の備蓄を備えることを求める条例で制定しているようです。(*1)

この3日というのは人命救助のデッドラインといわれている日数で少なくともこの日数は人命救助が最優先のため、その間は帰宅困難者が妨げにならないようにとの意図のようです。

自身の職場で備蓄が備えられているのであれば、その期間分は滞在可能ということになります。

【その他外出先の環境】一時滞在施設にも備蓄が備えられている

職場以外の外出先で被災することもあり得ます。

その場合には一時滞在施設が準備されているようです。例えば東京都では約45万人が72時間滞在可能な、一時滞在施設が確保されているとのことです。*3

このような施設でも72時間は滞在可能と考えられます。

【電車の状況】過去の地震は概ね翌朝ごろに復旧している

では帰宅困難になる理由になっている電車の運休は災害後どのくらい続くのでしょうか?

過去の事例を確認してみます。

東日本大震災の首都圏の鉄道は早いところでは当日深夜、遅いところでは翌々朝には復旧

2011年の東日本大震災の際の首都圏の電車の復旧状況はWikipediaにまとめられていました。*4

この内容を確認すると早い路線で西武線などが災害発生後8時間後の夜22時ごろから復旧し、大半は翌朝には復旧。

遅いところではJR横須賀線津波の影響もあり翌々日の朝に復旧しているという状況のようです。

大阪北地震では翌朝には復旧していた

2018年の大阪北地震では、朝日新聞の記事*5によると発生翌日の朝には復旧していたようです。

もちろん、線路に支障が発生するなどすぐに復旧できない場合もあると予想されますが、一部の路線が復旧するだけでも家の近くまで行くことができるようになる、徒歩距離が短くなるなど状況の改善が見込めます。

 

職場で3日の備蓄を備えていますが、3日たっても身動きが取れない状況というのはあり得なくはないものの、可能性は低そうと期待したいところです。

【道路の状況】家までは普通の徒歩時間よりもかかる可能性考慮すべき

そもそも帰宅困難といわれている距離は?

帰宅困難といわれている距離はどのくらいになるのでしょうか?

内閣府の資料*6によると、

・帰宅距離10キロ以内は全員「帰宅可能」

・10キロを超えると「帰宅困難者」が現れ、20キロまで1キロごとに10%ずつ増加

・20キロ以上は全員「帰宅困難」

という定義になっているようです。

なので、20kmは帰宅困難と定義されています。

Googlemapの徒歩時間は約時速5kmで計算されている

帰宅経路を調べる際はGoogle mapを使うのが便利です。この際所要時間も表示されますが、これは約時速5kmで進んだ場合の時間が表示されているようです。

このことを考えると20kmの距離は歩き続けたとすると4時間でたどり着けることになります。

4時間であれば18時から歩き始めると22時に帰宅できるので、帰宅困難というほどではないように思われます。

道路の混雑により通常の速度で歩けない

しかし実際に東日本大震災の体験を見ているとそう簡単にはいかないようです。

時事ドットコムの記事*7によると東日本大震災の際は人混みがすごく、時速3km程度でしか進めなかったと書いてありました。

20kmを時速3キロで進んだ場合、6.5-7時間かかることになります。18時から歩き始めると、日付が変わってしまいます。実際には休憩もすることを考えると確かに帰宅困難といえそうです。

このような状況ではやはり無理に帰宅することはリスクがあると思われます。

帰宅困難時に帰宅判断をどのように行うか?

・行政は帰宅を非推奨

・職場や避難施設の備蓄が十分ある

・電車は致命的な損傷を受けていない限りは翌日には動きそう

・想定以上に帰宅に時間がかかるリスクがある

という前提で、家に帰らないといけないかを検討することになります。

一緒にいるべき家族やペットがいるか

サポートが必要な子どもや年配者がいる場合やペットを飼っている場合、代わりに対応できる人がいない場合は自分が帰宅しないといけないケースがあり得ます。

どのようなケースで帰宅を避けられないかを事前にパターン分けして考えておくことが重要です。

ただし、無理な帰宅は危険を伴いますし、大雨で帰れないなど災害の種類や状況によっては帰れないケースもありうるので、帰宅しなくても3日間は何とかなるような仕組みづくりが最重要になります。

確認しなければならないものが家にあるか

大規模の火災などが発生している場合に救出しないといけない家財があったり、水槽が置いてあって放置すると階下への漏水が発生する恐れがあるなど、家に帰って対応しないといけないものがある場合もあります。

このような場合も事前にどのようなケースで対応しないといけないのか確かめる必要があります。

例えば通帳は消失しても何とかなるケースがあるようであったり、*8水槽の水漏れは最悪保険でカバーすることを検討するなど、帰宅しなくて済むような仕組みづくりをあらかじめしておくことが最も重要です。

 

いずれにしても、事前にどのような場合に帰宅が避けられないかを家族でシュミレーションしておくことが重要となります。

 

まとめ

帰宅困難になった際にどのようにすべきかについて考えてきました。

 

【結論】

・行政は帰宅を非推奨

・職場や避難施設の備蓄が十分ある

・電車は致命的な損傷を受けていない限りは翌日には動きそう

・想定以上に帰宅に時間がかかるリスクがある

という前提から拙速な帰宅判断は避けるべきだと思います。

ただし、

・家に一緒にいるべき家族やペットがいる

・確認しなければならないものが家にある

など帰宅が避けられないケースもあるので、平時からどのようなケースで帰宅が避けられないか、帰宅しなくてもよくなる方法がないかを考えておく必要がありそうです。

 

実際に起きた時に冷静な判断ができるように日ごろから心がけておきたいと思います。